ミヒャエル・エンデ作の「モモ」という名作があります。
図書館に行けば必ず見かけるぐらいの本でいつも目にしてきました。
「時間」についての話らしい、というのと不思議な絵(エンデ自身が描いたそう)の表紙に、
「きっと難しくて抽象的な話なんだ」という先入観で手に取りませんでした。
最近になってからまた目にし、図書館で借りようとしましたが、借りれず。
次こそは…と考えていたら、文京区の小さくて良い感じの本屋さんで見かけ、ようやく買うことができました。
読んでみると考えていたよりファンタジーでドラマチック。
そしてその内容が、まさに今のことだろうと思えるものでした。
とても便利な世の中になり、あれもこれも簡単にできてしまう。しかもスピーディーに。昨今の状況でさらに会社に行かない人も増えたでしょう。
なのになんだか時間は増えた感じしませんよね。
その時間、どこに行ってしまったんでしょうか?
巨大なテクノロジー企業はすごく便利なツールを提供してくれます。
対価を払うものもありますが、それ以上のサービスを受けている気がします。
代わりに欲しいものは情報、と言われますが、それよりもやはり時間。
時間を使って欲しい。その時間でさらに企業も大きくなる。
だからさらに「おすすめ」してくれる。おすすめの精度は人間の手を離れてどんどん向上しているようです。
「時間貯蓄銀行」なるものがモモにはでてきますが、決して人に返す気はありません。
しかし人は有り余る時間が恐ろしいので、すすんで時間を差し出してしまう。
その時間を恐れないモモという少女との対決のお話です。
いまいちど時間について考えるきっかけになります。
読んだ方ももう一度読んでみてはいかがでしょうか。
オススメです👍
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